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築地松(斐川町一帯)

築地松を見に行きませんか(簸川平野)

出雲市斐川町を中心とした簸川平野には、美しい築地松の風景があります。四季を通じて吹き付ける強い西風から家屋を守るための長い歴史に裏打ちされたその造形美、機能美は、その深い歴史の記憶とともに、見る者の心を打ちます。

この写真は、斐川町内を通行していたときに、ふと立ち止まって撮影したものです。表から見ると真四角ではないことが分かります。台形のように上になるほど広がりを見せているのです。独特の「カット」の仕方は、長年、松を守ってきた陰手刈り(のうてごり)の職人さんがいて、いまも守っています。その仕事ぶりは、正面からみたときの美しさとともに、裏から見たときに、時計の内部構造を見たときのような、感動があります。

築地松

築地松

築地松は、今ではマツクイムシによる被害がまんえんし、少しずつ減少しています。また、家を増築したとき伐採したりする例もあるそうです。

築地松物語

築地松の歴史を学ぶのに格好の資料が、島根県と斐川町が発行した「築地松物語」(A4判、104ページ、斐川町デザイン課発行、1500円)です。写真家の古川誠氏が撮影した写真がふんだんに使われていて、地元の歴史学者らが丹念な取材に基づいて、その歴史や成り立ち、農家の暮らしとのかかわりなどを解説しています。

第1部 築地松の歴史
第2部 屋敷構えと景観
第3部 築地松のある暮らし
第4部 築地松の効用
第5部 築地松を守る  の構成です。

築地松にも歴史的な形成過程があって、楽しく学べます。

ほんのさわりですが、「築地松の役割」という一節をよむだけでも、築地松がいかに生活に根付いていたかが分かります。

「築地松の効用
1、冬に日本海からまともに吹き付ける季節風を防ぐ
2、斐伊川の氾濫のときに、土地ごと流されるのを防ぐ
3、築地松の枝おろしたものを燃料として蓄え、落ち葉を堆肥(たいひ)として活用する
4、防火のため
5、マテバシイの実やタケノコを食料とするため(初期の築地松は松とシイ、竹藪と組み合わせていた)
6、屋敷の広さや築地松の仲佐などで、家の「格」を表すため」

ふむふむ、この文章を読むだけで、簸川平野の農家が、自然と闘いながら、しかも共存して暮らしてきたことが分かり、背筋が伸びるような感動があります。

生活様式が大きく変化した現代に築地松を残していくのは至難の業と思われます。でも、生活に築地松を合わせるよりも、築地松がある暮らし方にもう一度立ち返るという視点も必要ではないでしょうか。利便性だけを追い求める暮らし方から、自然と共生する暮らしへ─。築地松を守る人にとっては大変なことだと思いますが、斐川町を通るたびに胸を打つ風景がいつまでも残っていればいいな、と思います。
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