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小泉八雲の妻(長谷川洋二著、松江今井書店)

小泉八雲の妻(長谷川洋二著、松江今井書店、1600円)

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の奥さん、小泉セツさんの評伝です。物語としても、資料としても、小泉八雲の怪談など、明治の日本の精神性を深く理解した作品を生んだ背景に、セツの存在があったことがよく分かり、読んでいて胸にぐっと来るものがあります。けっして文学作品ではありませんが、一気に読めました。

小泉八雲の妻

評伝は、セツが明治元(1868)年に松江城下の士族「小泉家」に生まれるところから始まります。セツがハーンと出会う前の半生は、明治維新で没落した士族の余りにも悲惨な貧乏物語です。小泉家から、稲垣家に養女に出されたセツだが、稲垣家も、実家の小泉家も非常な苦労を強いられ、没落していく。セツは勉強ができたが、学校に通うことも出来なかったが、昔話を家族にねだって聞いたとのこと。その時代のセツの頭にあった話しが、のちにハーンに語り聞かせた物語になっていきます。

ハーンとの出逢いは、ハーンの身の回りの世話をする女性としてハーンのもとに、セツが通うようになってからです。そこから夫婦になるまでの過程は諸説あって、「妾」という言葉も残っていますが、いずれにしてもハーンが後の手紙にあるように深く深くセツを愛していたことが分かります。長男の一雄ら4人の子どもとハーンとセツの家族の様子も、やりとりしていた手紙から本当に仲むつまじかったようです。

本にはハーンとセツの年表、ハーンとセツの間で「符丁」のようにやりとりされた、英語の読み方(出雲弁?)が掲載されています。「セツの英語覚え書帳」には、「why ホワエ なぜ」「speak シペーキ はなす」などセツが精いっぱいハーンとの会話を試みた苦労と深い愛情が感じられて、これを見ているだけで泣けてきました。

小泉八雲はすごかった。だけど、小泉八雲を生んだセツもまた、えらかった。うん。ぐすん。
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